セカンド・ブレイン
腸の神経細胞をセカンド・ブレインと言います
小腸、大腸と合わせた腸には、脳と同様に神経系、内分泌系などが存在しますが、脳の神経細胞数の約150億個に比べれば少ないですが、約1億個の神経細胞が腸には存在するといわれています。この神経細胞の数が、脳についで2番目に多いことから、【セカンド・ブレイン】と呼ぶようになりました。
このセカンド・ブレインは、アメリカのコロンビア大学医学部の解剖・細胞生物学教授であるマイケル・D・ガーション博士によって命名されました。彼は、「自分勝手に機能できる」神経細胞、つまり脳や脊髄からの指令を受けずに臓器を動かすことができる神経細胞が腸に存在することを証明したのです。その発見がきっかけとなって、第2の脳の存在が認識されるようになったと述べています。
蠕動運動とセカンド・ブレイン
セカンド・ブレインに存在する神経伝達物質のうち、最も中心的な役割を果たすのがセロトニンです。セロトニンというと、うつ病など精神疾患の薬として知られていますが、これはあくまでも脳内物質としてのセロトニンです。腸に存在するセロトニンは、消化管の運動に深く関与しています。そのメカニズムは精巧で、腸管を内容物(便のもと)が通過すると腸管の筋肉にある神経がこれを感知します。そしてセロトニンを介して、腸管口に近い側の筋肉には収縮、肛門側の筋肉には弛暖といった命令を伝えます。この連動が【蠕動(ゼンドウ)運動】です。こうした意味で、腸には独立した「脳」があるといういい方ができるでしょう。また、この腸と脳とを約2000本の神経線経がつないでいます。独立した神経系を持つ腸は単独で複雑な働きをする一方で、脳とも連携しています。ぜん動運動から便が直腸に移動したところで私たちは便意を感じますが、これは便を受けた直腸が、脳に信号を出すからなのです。また、多くの便秘患者さんが感じる「イライラ」「ストレス」などは、腸の異常が脳に伝わるためではないかとも考えられます。つまり、脳の指令が腸に伝わることもあれば、逆に腸で感じたことが脳に伝達されることもあるのです。これらのさまざまな連携プレーがすべてうまくいって、初めて正しい排便が行われるのです。最近は「腸を健康にすること」が全身の健康の秘訣である、といわれるくらいです。排便力がつき、正しい排便が可能になると、心身にさまざまなメリットがあります。便秘を容易に薬に頼らず、根本から治すことが、あなたの排便力を高め、理想の大腸を作ります。排便カをきちんと身につけることができれば、病気にかかるリスクを軽減し、健康的な暮らしを送ることができるのです。
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